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相手の気持ちに意識を向ける練習

【中学1年生 Gくん】

 

Gくんはルールがはっきりしている物事に対しては

コツコツ取り組んで力を伸ばしていける生徒さんです。

 

しかし“他者の気持ち”といった

ルールが明確でないことは理解が難しく、

友達やクラスメイトと関わる際に

Gくん自身の気持ちだけで行動してしまい

相手を不快にさせてしまうこともあります。

 

例えば、友達をしつこくからかい

相手が怒っているのはわかっていても

「面白いから」とからかい続けたり、

イライラした気持ちを解消するために

クラスメイトにわざとぶつかるといった行動を繰り返していました。

 

Gくんのようなタイプのお子さんには

『相手がどんな気持ちになるか』を説明することも多いですが、

Gくんの場合は気持ちを考える以前に

相手の気持ちに意識を向けること自体が難しいという課題があります。

 

そのためGくんが今取り組んでいるのは

誰かに「ありがとう」と言った場面について考えることです。

 

物事をパターン化して理解する傾向があるため、

“何かしてもらったら「ありがとう」と言う”

といったルールは定着しています。

 

そんなGくんには

相手が何かしてくれるのは

Gくんのことを思ってくれているからだよと説明し、

誰かに「ありがとう」と言った時は

相手が自分に対してどう思っているか考えることを宿題にしました。

 

最初はなかなか意識できませんでしたが、

次第に『周りの人は自分に優しくしてくれている』と

気づけるようになってきました。

  

限られた場面ではありますが、

相手の思いを意識できるようになったのは

大きな成長だと感じています。