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再登校への糸口を探す

【支援学校中学部3年生 Iくん】

 

Iくんは地域の小学校に入学し

通常学級で過ごしていましたが、

学校生活に馴染めず欠席するようになりました。

 

Iくんには衝動性や多動性、不器用さ、

想像することや言語表現の苦手さ等に加え

診断はされていませんが

文字を書くことの困難さもありました。

 

しかしIくんは登校するとものすごく頑張ってしまうので

周囲に苦手さが伝わらないためしんどさが理解されず、

Iくんにとって学校は

“とても大変で疲れる場所”になってしまいました。

 

その後支援学級に在籍しましたが

結局Iくんにあったサポートを受けることができず、

6年生から支援学校に通うことになりました。

 

ようやく無理をしなくてもよい環境になったのですが

Iくんに刷り込まれた学校のイメージを変えることは容易ではなく、

さらに年齢を重ねる中で苦手さを自覚し

「自分はできない」という発言も増え、

なかなか登校できないといった状態でした。

 

レッスンではIくんなりに成長した部分を繰り返し確認し、

今できることは何かを一緒に探し続けました。

 

また、学校に行った時に

自分を良く見せようと頑張りすぎることについて

何度も話し合いをし、

Iくんらしく過ごすにはどう振るまえばいいか一緒に考え

登校できた日に実践してもらいました。

 

そうやって自分に向き合い続けているIくんですが

最近はネガティブな学校のイメージや

すぐに完璧を求めてしまう考え方を変えようと

頑張っています。

 

今は『学校に行けば楽しい』と思えるようになったのですが

しんどかった期間がかなり長かったため

『大変で疲れる』というイメージがまだまだ強く…

 

Iくんはこのイメージを変えようと

教室に来ると積極的に日々の振り返りを行って考えを整理し、

少しずつ変化が見られるようになりました。

  

また『1時間目から登校しなければいけない』と考えてしまうIくんと

遅刻して登校してもよいことを何度も確認し、

『学校の門をくぐる』という目標を決め

3学期は登校回数を増やしています。

 

苦手なことがたくさんあるため

もどかしい思いをすることも多いIくんですが、

自分を変えようと努力している姿を見ると

本当に素晴らしいなと感じます。